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診療科・部門 Section

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形成外科

形成外科について

見た目の悩みや、皮膚・皮下のトラブルに専門的に対応します

形成外科は、身体の表面や外見に関わる幅広い疾患を扱う診療科です。
たとえば、皮膚や皮下の「できもの」(良性・悪性腫瘍)、顔や手足のけがや熱傷(やけど)、傷跡の修正、治りにくい傷(潰瘍など)、組織の欠損に対する再建手術など、日常生活に関わるさまざまなお悩みに対応しています。
私たちは、見た目の自然さや機能の回復を大切にし、患者さんの生活の質(QOL)を向上させることを目指しています。

当院では初診時当日の日帰り手術(デイサージャリー)にも対応します

当院では、月曜日、水曜日、金曜日は午前の形成外来の後、午後は局所麻酔で行える日帰り手術(デイサージャリー)を行っています。気になるできものや、ホクロなどで、CTや超音波などの特別な検査が必要ない場合は、午前中に診察と血液検査等を行うことで、当日午後の手術にも対応しています。

お忙しい方、お時間が作りにくい方の診療に柔軟に対応致します。手術予約枠が埋まっている場合は、後日の手術枠をご案内する場合がございます。

主な診療内容

<外傷・やけど・傷跡の修正>
けがややけどの処置は、将来の傷跡が目立たないよう丁寧に行います。すでに目立ってしまった瘢痕や拘縮、ケロイドなどの修正にも対応しています。

<皮膚・皮下腫瘍>
良性や悪性を問わず、腫瘍に対する基本的な治療は手術切除になることがほとんどです。当院は日帰りで、顔や四肢、体幹も含めて、形成外科的手法を用い、傷跡ができるだけ目立たないような手術を行っています。手術後もテープ等の創部ケアを行うことで、より綺麗なキズを目指します。入院が必要な大きな腫瘍や複雑な手術が必要な場合は、提携している大学病院での治療を受けることができます。治療後は当院で引き続き術後の状態を観察することが可能ですので、お気軽にご相談ください。

<眼瞼下垂>
まぶたが下がって黒目にかぶる状態を「眼瞼下垂」といいます。肩こりや頭痛の原因にもなるこの症状は、局所麻酔での日帰り手術で改善が可能です。症状に合わせて最適な手術法をご提案します。

<陥入爪・巻き爪の治療>
「歩くと痛い」「腫れてつらい」…そのようなお悩みをお気軽にご相談ください
爪の端が皮膚に食い込み、痛みや炎症を引き起こす陥入爪や巻き爪。進行すると化膿や肉芽形成を伴い、日常生活に支障をきたすこともあります。当院では、症状の程度に応じて以下のような治療を行っています。

  • 保存的治療(自費診療)
    特殊なワイヤーを用いて、巻いた爪を少しずつ広げていく「ワイヤー矯正治療」を行っています。爪を傷つけず、比較的痛みの少ない方法で、軽度~中等度の症例に適しています。
  • 外科的治療(保険診療)
    皮膚に食い込んだ爪を部分的に切除する方法や、爪の幅を狭くする手術などを行っています。繰り返す炎症や重度の巻き爪に対して有効です。

<その他>
顔面骨骨折、毛巣洞、膿皮症、潰瘍など、あらゆる形成外科疾患に対応します。

リンパ浮腫の外科治療について

※完全予約制

がん治療後の「むくみ」(続発性リンパ浮腫)に専門的外科治療を行っています

リンパ浮腫は、手術や放射線治療、抗がん剤の影響によって、リンパの流れが悪くなり、腕や脚がむくんでしまう状態です。初期には違和感やだるさだけでも、進行すると日常生活に支障をきたしてしまいます。蜂窩織炎という炎症を繰り返すことで、リンパ管や皮下組織の炎症性変化が進行するため、早期の外科治療をご提案しています。

※手術治療を受ける場合、上肢リンパ浮腫の患者さんの一部を除いて、リンパ浮腫には保存療法の併用が必要です。手術後も、下肢リンパ浮腫の患者さんではストッキングによる圧迫療法を終了できるのは、まだ病状が進行する前の早期下肢リンパ浮腫の方になります。

※がん治療と関連のない、原発性リンパ浮腫と他院で診断された方の手術治療にも対応しています。

検査・評価方法

  • 視診・触診による診察
  • ICG蛍光リンパ管造影
  • 超音波検査
  • リンパシンチグラフィー(必要に応じて、提携する他院で行います)

治療法

当院ではリンパ管静脈吻合術(LVA: Lymphaticovenular Anastomosis)による外科治療を行っています。LVAは、むくみの原因であるリンパ液の流れを改善するための手術で、近年とくに注目されている低侵襲な治療法です。

◆ LVAという手術について

LVAは、顕微鏡を使ってリンパ管と静脈を直接つなぐ(吻合する)手術です。
腕や脚には沢山のリンパ管があり、重要な体液の一部であるリンパ液を運んでいます。リンパ管によって運ばれるリンパ液は、最終的には頸部にある静脈(首の下の方にある鎖骨下静脈という静脈です)に合流しています。何らかの原因によってリンパ液の通り道であるリンパ管の流れが悪くなるとリンパ浮腫になります。ゴールである頸部の静脈まで到達できなくなったリンパ液が、腕や脚にたまってしまう状態です。LVAでは、溜まってしまったリンパ液を流すために、新たな「出口」として腕や脚にある細い静脈とリンパ管をつないで、新たなリンパ液の道を作ります。

◆ LVAの方法について

  • 1.0~2.5cmほどの小さな切開から、皮膚のすぐ下にある細いリンパ管と静脈を探します。
  • 当科で扱うリンパ管の太さはわずか0.1~0.7mm程度です。これを直径0.03-0.065mmほどの極細の針と糸で顕微鏡下に丁寧に縫い合わせます。
  • 顕微鏡下で行う非常に繊細な手術ですが、局所麻酔で行えるのが大きな特徴です。

リラックスした状態で手術を受けられるように努めています。希望があれば手術中の映像をモニターでご覧いただくことも可能です。

◆ 身体への負担は?

  • 手術は局所麻酔で行いますので、全身麻酔に比べて身体への負担が少なく、高齢の方にも受けやすい治療法です。
  • 手術時間は、最初の検査や準備に60分程度かかります。1か所あたり約40-60分程度かかりますので、浮腫の状態に応じて、患者さんの休憩を含めて2.5~4時間程度の手術時間になります。
  • 当院では入院治療を基本としていますが、日帰り手術をご希望の方はご相談ください。

※最後に

LVAはリンパ浮腫に対する有効な治療法ですが、まだまだLVAを行っている施設が少ないこともあり、当院では混雑状況によっては、初診の診察予約までにお時間をいただく場合がございます。

外来予定表

月曜火曜水曜木曜金曜土曜
形成外来-形成外来リンパ浮腫LVA外来(術前/術後)
※完全予約制
形成外来-

※リンパ浮腫LVA外来は2025年4月より、従来の火曜日から木曜日に変更になりました。

スタッフ紹介

  • 関 征央(セキ ユキオ)
役職 非常勤
専門分野 リンパ浮腫術前・術後外来担当
資格・専門医 医学博士
日本専門医機構認定形成外科専門医
日本形成外科学会 再建・マイクロサージャリー分野指導医
所属学会 日本形成外科学会
日本マイクロサージャリー学会
日本リンパ学会
日本創傷外科学会
日本乳房オンコプラスティックサージャリー学会
アメリカマイクロサージャリー再建学会
出身大学 秋田大学医学部(2006年卒)
経歴 秋田大学 医学部 卒業
福島県立医科大学 形成外科
東京大学 形成外科 助教
旭中央病院 形成外科
名戸ヶ谷病院 形成外科
聖マリアンナ医科大学 形成外科 講師
がん研有明病院 形成再建外科 医長、リンパケア室 室長
順天堂大学附属順天堂医院 先任准教授 現在に至る
  • 城田 真唯子(シロタ マイコ)
役職 非常勤
専門分野 一般形成外科
所属学会 日本形成外科学会
日本マイクロサージャリー学会
出身大学 東海大学医学部(2018年卒)
経歴 東海大学 医学部 卒業
東海大学 形成外科
がん研有明病院 形成外科 出向
東海大学 形成外科 現在に至る
  • 大澤 里紗(オオサワ リサ)
役職 非常勤
専門分野 一般形成外科
所属学会 日本形成外科学会
日本マイクロサージャリー学会
出身大学 東海大学医学部(2019年卒)
経歴 東海大学 医学部 卒業
東海大学 形成外科
静岡赤十字病院 出向 現在に至る
  • 清水 光絵(シミズ ミツエ)
役職 非常勤
専門分野 一般形成外科
所属学会 日本形成外科学会
出身大学 東海大学医学部(2021年卒)
経歴 東海大学 医学部 卒業
東海大学 形成外科 現在に至る