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診療科・部門 Section

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消化器内科

ご挨拶

早期消化管がんの内視鏡診断・治療について

当科では消化器内視鏡専門医2名を含めた計5人のスタッフで内視鏡診療に当たっています。苦痛の少ない内視鏡検査をモットーに患者様のご希望に応じて、希望者全例に静脈麻酔による鎮静を行っています。特に大腸内視鏡検査の際は水浸法による内視鏡挿入や炭酸ガス送気により苦痛のほとんどない内視鏡検査を行っています。大腸ポリープ切除は日帰りで施行しています。検診・ドックの消化管検査の際などは上部下部内視鏡検査を同時に行っておりますのでご相談ください。

内視鏡的粘膜下層剥離術(ESD)について:これまで癌の治療といえば外科的手術が第一選択でしたが、健康診断や人間ドックで行われる胃カメラや大腸内視鏡検査の普及により、早期癌の発見率が増加し、より低侵襲な治療が選択できるようになりました。特に日本人に多い胃癌の分野で世界に先駆け内視鏡的粘膜下層剥離術が考案され、それまでの内視鏡的切除では一括切除が困難であった病変の切除が可能となり、2007年に早期胃癌、2009年に早期食道癌、2012年に早期大腸癌がそれぞれ保険収載されました。当科においても術前診断、内視鏡的切除、根治度評価、胃癌の場合には根治的切除後のピロリ菌除菌、術後の定期的な経過観察まで責任をもって治療にあたります。

胆道・膵疾患に対する内視鏡診断・治療

高齢化に伴い胆道結石や胆道・膵悪性疾患が増加傾向にあり、急性胆管炎や胆道結石に対する経乳頭的内視鏡治療、悪性腫瘍による胆道閉塞に対する内視鏡的ステント留置など緩和的治療を行っています。また超音波内視鏡・小腸内視鏡も導入されさらなる適応病変の拡大に努めてまいります。

進行癌に対する緩和的化学療法・緩和支持治療

高齢化に伴い3人に1人ががんで死亡し、2人に1人が生涯に一度はがんに罹患する時代となり、根治困難な進行がんで診断される患者様も増加傾向にあり、その中で消化器がんは約半分を占め、特に大腸がんや膵臓がんは増加の一途を辿っています。

これら難治進行癌に対しても外科的治療と抗がん剤治療、放射線治療を組み合わせた集学的治療によって生存率の改善が得られており、特に抗がん剤は分子生物学の進歩により分子標的治療薬が次々と開発・臨床応用され、これまで有効な治療法がなかった癌に対しても治療成績が向上しております。また支持治療の改良もあり苦しい副作用が軽減し、治療場所も入院から外来治療へ移行し、これまでの生活を維持しながら治療を受けることができるようになりました。ただしがんの治療といっても原発臓器や進行度によって標準治療や適応は異なり、進歩も早く、今後もより複雑化・専門化が進み、それぞれの専門家からなるチーム医療の重要性が指摘されています。

当科では外科、消化器内科、総合内科、コメディカルと密な連携をとり、個々のがん患者さまにベストな治療の実践をめざしていきたいと思います。放射線治療が必要な場合は、徳洲会グループの湘南鎌倉病院オンコロジーセンター・放射線治療科の協力のもと治療にあたっています。

当院では最新のエビデンス(科学的根拠)に基づき下記対象疾患に対して標準的化学療法を行っています。

食道癌切除可能進行がんに対する術前補助化学療法
切除不能・再発進行がんに対する緩和的化学療法
胃癌切除後可能進行がんに対する術後補助化学療法
切除不能進行がんに対する緩和的化学療法
大腸癌切除可能進行がんに対する術後補助化学療法
切除不能・再発進行がんに対する緩和的化学療法
膵癌切除可能進行がんに対する術後補助化学療法
切除不能進行がんに対する緩和的化学療法
胆道癌切除不能進行がんに対する緩和的化学療法
乳癌術後補助化学療法・ホルモン療法
進行・再発癌に対する緩和的化学療法
肺癌切除不能進行がんに対する緩和的化学療法
原発不明癌切除不能進行がんに対する緩和的化学療法
軟部腫瘍切除可能消化管間葉系腫瘍(GIST)に対する術後補助化学療法
切除不能・再発消化管間葉系腫瘍(GIST)に対する緩和的化学療法

担当医・外来について

  • 消化器内視鏡検査のご相談:内科・外科
  • 早期がんの内視鏡治療のご相談:寺島(外科)
  • 進行がんに対する化学療法のご相談:黒木・安井・寺島・新・山本(外科)
  • 炎症性腸疾患(潰瘍性大腸炎、クローン病)の診断・治療のご相談:

詳しくは当院外来担当表をご参照ください。セカンドオピニオン問わずお気軽にご相談ください。

当院採用内視鏡関連機器について

上部消化管内視鏡:OLYMPUS GIF-H260,GIF-H260Z,GIF-Q260J
下部消化管内視鏡:OLYMPUS CF-H260,CF-Q260AZI,CF-PQ260AL
小腸内視鏡:OLYMPUS SIF-Q260
胆膵内視鏡:OLYMPUS JF-Q260V
超音波内視鏡:OLYMPUS EU-ME1,GF-UCT260,UM-2R/3R
高周波装置:ERBE VI0-300D
炭酸ガス送気装置:OLYMPUS UCR

特徴・手術件数など

統計

2020年度2021年度2022年度2023年度
上部消化管内視鏡1,045件1,170件 1,287件 1,172件
上部消化管ESD/EMR11件17件22件12件

食道静脈瘤硬化療法0件0件0件1件
内視鏡的止血術21件27件66件27件
内視鏡的胃瘻増設術20件20件20件15件
超音波内視鏡7件16件11件3件
下部消化管内視鏡528件665件647件593件
下部消化管ESD0件0件0件10件
大腸ステント挿入6件7件8件5件
小腸結腸内視鏡的止血術1件7件9件2件
小腸内視鏡2件5件0件1件
ERCP8件20件34件5件
内視鏡的乳頭切開術38件30件38件37件
内視鏡的結石除去術31件25件30件39件
合計1,735件2,028件2,187件1,942件

スタッフ紹介

  • 長田 真二(ナガタ シンジ)
資格・専門医 日本内科学会 総合内科専門医
日本肝臓学会認定肝臓専門医
日本消化器病学会 消化器病専門医
日本消化器内視鏡学会専門医
難病指定医
出身大学 岡山大学(2014年卒)
  • 深原 俊明(フカハラ トシアキ)
役職 非常勤
資格・専門医 日本消化器内視鏡学会 専門医
日本消化器病学会 認定医
日本消化器外科学科 認定医・消化器がん外科治療認定医
日本がん治療認定医機構 がん治療認定医
日本外科学会 外科専門医
出身大学 山形大学医学部(1993年卒)
  • 羽田 兼吾(ハネダ ケンゴ)
役職 非常勤
資格・専門医 日本内科学会 認定内科医
日本消化器内視鏡学会 消化器内視鏡専門医
日本消化管学会 胃腸科専門医
難病指定医
出身大学 香川医科大学 医学部(1999年卒)
  • 湯原 宏樹(ユハラ ヒロキ)
役職 非常勤
資格・専門医 日本消化器内視鏡学会専門医
日本消化器病学会専門医
日本内科学会総合内科専門医
日本肝臓学会専門医
出身大学 北海道大学 医学部(2001年卒)