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診療科・部門 Section

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核医学(RI・PET)センター

ご挨拶

画像診断の中でPET-CTやSPECTなどの核医学検査は、CTやMRIに比べてどちらかというと一般的には認知度が低く、CT検査のことは聞いたことがあってもPET-CTやSPECTは知らない、という方が多くいらっしゃいます。

しかし、核医学検査は、歴史的にもCTやMRIよりも古く、大変有用な検査なのです。一口で言うと、CTやMRIは臓器の形態あるいは解剖を映し出すのに比べ、核医学検査では、病気の代謝を映し出す検査なのです。つまり、病気の性質を細胞レベルまで反映することができるので、例えばガンであるかないか、或いはアルツハイマー病であるかないかを特異的に正確にすることができるのです。そして現在も多くの疾患に応用できるPET用の薬剤(試薬)が開発されつつあります。

当院はPET-CTやSPECTの最先端の診療や治験をおこなっています。

PET-CT

PET-CT検査

PET-CT

PET(Positron Emission Tomography)とは、陽電子放射断層撮像法と呼ばれる核医学検査のことです。
ごく微量の放射線の出る薬(18F-FDG)が、がん細胞に集まることを利用して、そのがん細胞から放出される放射線をカメラでキャッチして画像にしています。

最近はPETとCTを同時に検査できる装置が使われており、それをPET-CT検査と言います。

検査方法

検査は入室から退室まで約3時間ほどかかります。

注意事項

  • 検査当日は6時間前より絶食となります。
    ただし、お水やお茶などの糖分の入っていない飲み物は飲んでいただいてかまいません。
  • 血糖値が非常に高い場合は、血糖値が下がるまでお待ちになるか検査を別日に変更する、
    または中止になる場合もあります。
  • 糖尿病の方は、医師にご相談ください。
  • 前日から当日の検査直前にかけて運動は控えてください。

PET-CT検査で使用するお薬

18F-FDGという検査薬は、ブドウ糖に18F(フッ素)を標識した放射性薬剤です。
ブドウ糖によく似た構造をしているので、性質もよく似ています。

がん細胞は正常細胞に比べて分裂が盛んなため、ブドウ糖を3~8倍多く取り込みます。
したがって、放射線の放出される18F-FDGががん細胞に多く集まる仕組みになっています。
また、18F-FDGは薬の寿命がとても短いため、当院では院内のサイクロトロン、ホットセルで作り、検査に使用しています。

18F-FDGを用いたPET-CT検査の被ばく量は約20mSvです。
人体への悪影響はほとんどありません。

サイクロトロン

ホットセル

PET-CTの画像

肺がん

CT画像

PET画像

PETとCTを重ね合わせた画像

乳がん

左図:CT画像 中図:PET画像 右図:PETとCTを
重ね合わせた画像

PET-CT検査でわかること

  • 早期のがんの発見ができます。
  • 良性、悪性の鑑別が可能です。
  • がんの進行度合いの推定ができます。
  • がん転移の判定ができます。
  • 抗がん剤や放射線治療の治療効果の判定 ができます。

PET-CT検査のお問い合わせ

湘南厚木病院

電話番号046-223-3636(代表)
検査料金こちらから

PIB-PET

概要

アルツハイマー型認知症の検査目的とは

物忘れのある人、アルツハイマー型認知症の心配な人、軽度認知障害の人に対して、アルツハイマー型認知症に発展する可能性があるかどうか診断します。
また、認知症の方に対してはアルツハイマー型認知症かその他の原因かを鑑別診断します。

アルツハイマー型認知症について

物忘れから発症し、日時の概念が混乱、自発性の低下などが起こり、認知機能が低下し、社会生活や日常生活が困難となり、これらが進行して、人格崩壊になる脳の変性疾患です。

原因はアミロイドβ蛋白が脳内に蓄積することにより、脳神経細胞の機能低下で起こり、このアミロイドβ蛋白の蓄積はアルツハイマー型認知症の発症十数年前から起ると考えられています。
アルツハイマー型認知症の確定診断は、死後の剖検脳でアミロイド斑と神経原繊維変化を病理学的に証明することです。そのため、臨床診断は生きている間はアミロイド斑を検出することができないため、症状だけでは正確には困難です。

2002年米国でアミロイドマーカーとしてポジトロン放射性アイソトープである[11C]で標識した通称ピッツバーグ化合物B([11C]PIB)が、PET用放射性薬剤として開発され、PET画像でアミロイド蛋白の蓄積を描出できるようになり、新しい画像検査方法が開発されました。このアミロイドペット検査を中心に、その他の検査を加えることにより、客観的に物忘れやアルツハイマー型認知症に対する早期診断が可能になってきました。

アルツハイマー型認知症の検査目的

物忘れのある人、アルツハイマー型認知症の心配な人、軽度認知障害の人に対して、アルツハイマー型認知症に発展する可能性があるかどうか診断します。また認知症の方に対してはアルツハイマー型認知症かその他の原因かを鑑別診断します。

アミロイドペット検査を中心に行いますが、それ以外の検査を一緒に行うことにより、アルツハイマー型認知症を多角的に分析し診断をします。

[11C]PIB-PET検査

アルツハイマー型認知症は物忘れなどの症状が出る数十年前からアミロイドβ蛋白が脳に蓄積し始め、アミロイド蛋白の蓄積により脳神経細胞の機能低下が起こり、認知機能障害が進行しておこると考えられています。

アルツハイマー型認知症の確定診断は、死後の剖検脳でアミロイド斑と神経原繊維変化を病理学的に証明することです。しかし、その臨床診断はアミロイド斑を画像所見として描出することができないため正確には困難でした。

2002年ピッツバーグ大学でアミロイドマーカーとしてポジトロン放射性アイソトープである[11C]で標識した通称ピッツバーグ化合物B([11C]PIB)が、PET用放射性薬剤として開発され、PIB-PET画像でアミロイド蛋白の蓄積を描出できるようになり、これはアルツハイマー型認知症の診断をするにあたり、画期的な新しい画像検査法であります。

2004年以降、2008年6月まで世界各国の約40ヶ所の施設で、約2000人の患者さんでこの検査は行われております。当施設でも2007年7月から2008年10月まで約300人の患者さんで、臨床研究として行われております。
 
008年11月25日より、当施設はピッツバーグ大学とGEヘルスケアからPIB-PETに対する使用許可を得て、物忘れ等でご心配な方は検査を受けることができます。

検査方法

[11C]PIB-PET放射線薬剤は当施設のホットラボ室で製造され、その品質検定後に、この薬剤を静脈内投与し、その直後より脳のPET撮影を始め60分間の連続撮影を行い、画像作成します。

検査の安全性と副作用

現在までこの薬剤による副作用は、世界中のどこの施設からも報告はありませんし、当施設でもみらまれせん。
またこの検査による放射線の被曝量は胃のバリウム検査1回分の量とほぼ同じで、人体への悪影響はほとんどありません。

アルツハイマー型認知症のPIB-PET画像

正常健常人

アルツハイマー型認知症

この検査でわかること

脳にアミロイド蛋白蓄積の有無がわかります。アミロイド蛋白の蓄積のある物忘れの方、軽度認知障害の方などは、今後アルツハイマー型認知症に発展する可能性があります。
認知症でアミロイド蛋白の蓄積のみられる方はアルツハイマー型認知症か、それに合併した他の原因の認知症と診断できます。

アミロイド蛋白の蓄積のない方はアルツハイマー型認知症に発展する可能性はほとんどないと考えられます。アミロイド蛋白の蓄積のない認知症の方は他の原因の認知症と考えられます。

[11C]PIB-PET検査のお申込み、お問合せ

湘南厚木病院

電話046-223-3636(代)