HOME > 診療案内 > 診療科紹介  > ご案内 無輸血外科治療

無輸血外科治療

ご案内

診療内容

当科では、健康上、医学上の理由や、信教上の理由で同種血輸血の治療を望まれない方に対し、無輸血プログラムを用いた外科手術をおこなっています。ご希望の方は初診時に遠慮なくお申し出下さい。

人体を循環する血液は各臓器の機能を維持し、種々の感染を防御するなど、生命維持に不可欠な働きをしています。外科手術や事故による外傷、消化管出血の際、体内から血液が失われ、これを補う目的で輸血が必要となる場合があります。

しかし、ご承知の通り他人の血液を用いる同種血輸血は、今もって感染症(肝炎ウィルスや細菌汚染)やアレルギー反応(皮疹や発熱)、重篤な合併症(免疫機能低下、GVHD)や医療事故(血液型や輸血バッグの取り間違え)の危険性をはらんでいます。さらに献血による輸血供給量は限られているために、日常診療での使用輸血の節減は今日重要な課題となっています。

近年、こうした観点から同種血輸血を極力避け、当面の生命維持だけでなく、長い目でみた生命予後の延長、健康維持の目的で不必要な輸血を極力避けるPBM(Patient Blood Management; 患者中心の輸血医療)という概念の下に、同種輸血に取って代わる治療が注目されています。

私たちはこうしたPBMを導入したいわゆる『無輸血外科治療』を長年に渡って実践してきました。その結果、出血や癌ですでに貧血の状態にある方、輸血が必要となる手術を受けることができない方が無輸血治療を受けられ、一般の方と同等の成績やその後の健康を維持していただくことができています。

輸血拒否に関するガイドライン

宗教上の理由による「輸血拒否」に対して徳洲会のガイドラインを掲載致します。
基本理念
 1.生命は平等であり、医療は公平であるとの理念に基づき、患者の自己決定権を尊重する。
 2.関連法規を遵守し、最善の医療に努める。

詳細は、PDFファイルでご覧いただけます。
宗教的輸血拒否に関する徳洲会のガイドライン

当科の特徴

無輸血治療は多くの多職種スタッフによって診断、処置、治療が進められていきます。

主治医、担当ナース、薬剤師、栄養士、検査技師、臨床工学技士、無輸血治療プログラムコーディネーター、麻酔医、各専門医を含めた医療スタッフが受診時から関わり、協働し、治療に当たっています。

初診時の入念な全身状態の評価と手術までの治療処置、手術中の丁寧な手技と麻酔管理、手術後の全身管理に至るまで輸血を用いずに治療を達成していきます。

無輸血外科治療外来

外来は毎週金曜日です。受診希望の方はお電話で予約できます。紹介状をお持ちの方は検査資料が前もって用意できれば、受診日の前に、現在かかっている病院からか、直接に当院地域医療連携部に郵送していただければ円滑な診療の助けとなります。電話:046-223-3636 (代表)または7722

代表的な対象疾患

一般外科の全般的疾患
消化器外科(食道・胃・十二指腸・大腸・肛門疾患・肝臓・胆嚢・膵臓など)全般
呼吸器外科(肺)
末梢血管外科(透析シャント・人工血管・動脈表在化手術)

無輸血治療プログラム ~洗練された最新医療技術で支えています~

術前の増血療法

鉄剤・各種ビタミンを用い、貧血を改善し全身状態を安定させ、治療に備えます。

希釈式自己血輸血

手術の麻酔の段階でご自身から血液を採血しておき、代わりに血漿増量剤を点滴して血液を薄めた状態で手術を行います。必要時に採血した自分の血液を体に戻します。

術中回収式自己輸血

手術中に出血した血液を吸引回収し、生理食塩水で洗浄、きれいになった赤血球を戻す方法です。(短時間に大量の出血がある場合など)

術中出血を抑える工夫

丁寧な手技と鏡視下手術の適応、また術式によってトラネキサム酸・凝固因子製剤など出血を抑える薬剤を使用します。

術前・術後のがん化学療法

がんの手術の前後で抗がん剤投与や放射線照射など補助療法が必要な場合でも無輸血で治療を行います。

専門知識と技術の経験を積み重ね、これまで輸血の準備なしでは困難とされてきた肝胆膵領域の悪性腫瘍などを中心に数多くの無輸血手術を行ってきました。がんの手術を終えた患者さんは輸血を回避するという点で長期的な健康を維持できると言えます。

スタッフ紹介


【所属学会等】
  1. 日本外科学会外科専門医
  2. 日本外科学会指導医
  3. 日本消化器外科学会指導医
  4. 日本消化器外科学会専門医
  5. 日本肝胆膵外科学会肝胆膵外科高度技能指導医
  6. 日本消化器外科学会消化器がん外科治療認定医
  7. 日本がん治療認定医機構暫定教育医
  8. 外国医師臨床修練指導医
【履歴】
  1. 1983年 熊本大学医学部卒業

肝胆膵外科
無輸血治療外科部長
川元 俊二